どうなる?2025年新課程入試の共通テスト科目

 

文部科学省ヵら7月末に、2025年の新課程入試「共通テスト実施大綱の予告」が公表されました。

 

共通テスト科目に【情報】が加わるということで話題となっていますが、その他の科目でも大幅な変更がなされるため注意が必要と言えます。

 

では、各科目いったいどのように変わるのかについて今回は見ていきましょう。

 

【外国語】

●現行課程:「英語(コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、英語表現Ⅰ)」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」

〇新課程:「英語(コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、論理・表現Ⅰ)」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」

 

外国語に関しては今のところ大きな変更は発表されていません。

 

【数学】

●現行課程:「数学Ⅰ」「数学ⅠA」「数学Ⅱ」「数学ⅡB」「簿記・会計」「情報関係基礎」

〇新課程:「数学Ⅰ」「数学ⅠA」「数学ⅡBC」

 

新課程では「数学Ⅱ」「簿記・会計」「情報関係基礎」の科目がなくなり、指導要領で復活した数学Cが共通テストでも出題されることになりました。

 

【国語】

●現行課程:「国語」(国語総合)

〇新課程:「国語」(現代の国語、言語文化)

 

現代の国語は“実社会での言語活動に必要な国語の能力を育成する科目”、言語文化は“日本の言語文化への理解を深める科目”でこちらは近代以降の文章も古典も扱うと定義されています。

 

 

【理科】

●現行課程:「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」

〇新課程:「物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎」「物理」「化学」「生物」「地学」

 

理科は「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の4科目を1科目として扱うことになりましたが、現行同様2分野で基礎1科目です。

 

また、基礎科目と発展科目でこれまで試験時間を別々に設けていましたが、統合する形となります。

 

理科の基礎・発展科目の試験時間統合は、新しく科目に加わる「情報」の試験時間を捻出するためとも言われています。

 

【地理歴史/公民】

●現行課程:「地理A」「地理B」「日本史A」「日本史B」「世界史A」「世界史B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」

〇新課程:「地理総合、地理探究」「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」「公共、倫理」「公共、政治・経済」「地理総合、歴史総合、公共(2分野選択)」

 

歴史総合は日本史と世界史の近現代史の融合分野のため、「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」でも両方の要素が入ります。

※科目名に“歴史総合”が重なりますが、異なる問題が出題されるため双方を選択することも出来ます。

 

また、2012年に新設された「倫理、政治・経済」は廃止、公民科目から2科目選択も不可となりました。

 

【情報】

●現行課程:なし

〇新課程:情報Ⅰ

 

当初CBT (パソコンを使って受験する方式)を予定していましたが見送りとなり、他の科目と同様に紙の問題・解答用紙を用いることになりました。内容としてプログラミングやデータ活用などの実践的内容も含まれる予定です。

 

重要なポイントとして、国立大学における共通テスト科目での「情報」の扱いがどうなるかが騒がれています。

 

今後国立大学協会が方針を出し、それを踏まえ各国立大学からの予告という流れになる見通しです。

 

もし国立大学協会が「情報」を試験科目に課す方針を出した場合、

  1. 多くの国立大で「情報」が試験科目として課される
  2. 公立大も国立大の歩調にあわせる
  3. 多くの受験生が「情報」を受けることになる

となることが考えられます。

 

 

今後の動向に注目です。

 

以上、文科省の共通テスト実施大綱の予告についてでした。