志願倍率と実質倍率の違い

 

大学入学共通テストが終わり、国公立大学の個別試験(2次試験)の出願が始まりました。

 

受験生メンバーの中には、前期日程の出願先は決まっているけど後期日程で悩んでいる人もいるかと思います。

 

今回は特に後期日程で受験生が惑わされやすい『志願倍率と実質倍率』について見ていきましょう。

 

 

みなさんは、志願倍率と実質倍率の違いって何だか分かりますか?

 

例えば、国公立大で毎年志願者ランキング上位につけている千葉大を例に見てみましょう。

 

まず、いくつかの学部の昨年度募集人員を見てみると

 

■千葉大学 入学者選抜 募集人員

・文学部

前期 125名

後期 18名

 

・法政経学部

前期 290名

後期 65名

 

・理学部

前期 142名

後期 50名

 

・工学部

前期 407名

後期 104名

 

・園芸学部

前期 133名

後期 29名

 

・医学部

前期 102名

後期 15名

 

・薬学部

前期 70名

後期 10名(薬科学科のみ募集)

 

というように、前期と比較すると後期の募集人員はどの学部も非常に少なくなっています。

 

 

そして次に、後期で千葉大に出願した志願者数がどれくらいか確認してみましょう。

 

・文学部

募集人員18名に対して志願者数296名

→志願倍率16.4倍

 

・法政経学部

募集人員65名に対して志願者数678名

→志願倍率10.4倍

 

・理学部

募集人員50名に対して志願者数715名

→志願倍率14.3倍

 

・工学部

募集人員104名に対して志願者数1,460名

→志願倍率14.0倍

 

・園芸部

募集人員29名に対して志願者数449名

→志願倍率15.4倍

 

・医学部

募集人員15名に対して志願者数371名

→志願倍率24.7倍

 

・薬学部 薬科学科

募集人員10名に対して志願者数201名

→志願倍率20.1倍

 

と、全ての学部で10倍以上の非常に高い倍率になっていることが分かります。

 

この、(志願者数)÷(募集人員)で計算されるものが志願倍です。

 

「15人に1人しか合格しないなら、受けても厳しそうだな…」

 

と思った人は注意が必要です!

 

 

ここで重要な数字は実は“志願者数”ではなく、“受験者数”なんです。

 

出願した人の数ではなく、試験会場へ受験しに行った人の数です。

 

国公立大は前期・後期と同時に出願することから、前期で合格→進学を決めた際に後期は受ける必要がなくなります。

 

他にも様々な理由から、後期日程の欠席率は年々上昇を続けており、昨年度入試では国公立大全体で後期日程の欠席率は実に63.7%にも上りました。

 

 

では、千葉大(後期)の先ほどの学部における実際の受験者数は何名だったのでしょう。

 

・文学部

志願者数296名 受験者数131名

→合格者20名のため実質倍率6.5倍

 

・法政経学部

志願者数678名 受験者数264名

→合格者70名のため実質倍率3.7倍

 

・理学部

志願者数715名 受験者数335名

→合格者73名のため実質倍率4.5倍

 

・工学部

志願者数1,460名 受験者数669名

→合格者128名のため実質倍率5.2倍

 

・園芸部

志願者数449名 受験者数219名

→合格者37名のため実質倍率5.9倍

 

・医学部

志願者数371名 受験者数82名

→合格者19名のため実質倍率4.3倍

 

・薬学部 薬科学科

志願者数201名 受験者数88名

→合格者12名のため実質倍率7.3倍

 

このように、実質倍率は(受験者数)÷(合格者数)で計算されます。

 

また、この志願倍率・実質倍率は国公立大に限った話ではなく、私立大学でも同様のことが言えます。

 

見せかけの倍率に惑わされないように気を付けましょう。

 

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