人に教えることの学習効果

本日テーマは、高い学習効果が得られる「人に教えること」についてです。
人に説明出来るのは、しっかり理解している証拠。
人に教える(説明する)ことのアウトプットとしての高い学習効果、ディアロにお通いの皆さんなら一度は必ず耳にしているかと思います。
ではなぜそう言われているのか、気になりますよね。
人に説明する時に脳は前頭前野で記憶の取捨選択の判断を繰り返しおこなうため、働きが活発になるんです。
具体的に言うと、頭の中で
・得た知識を整理する。
・得た知識を再度考え直し、自分の中で意味の通る情報にする。
という作業が同時並行でおこなわれることによって脳が活性化されます。
さらに、これを誰かに教える時には「理解してもらえるように論理的に話さなきゃ!」となり、前頭前野で記憶の取捨選択の判断を繰り返し、これが脳の刺激になります。

また、人に教えることにメリットはこれだけではありません。
教えた内容に対して、それを聞いている相手が共感や納得をしてくれると「相手が分かってくれている!」となって喜びを感じ、脳内に快感伝達物質であるドーパミンが生じます。
ドーパミンの放出により学習効果が高まり、記憶に残りやすくなるという訳です。
そんな“人に教えること”を生徒同士が実践している学校が、昨年度入試で東大94名・京大53名の合格者を出したあの灘高校です。
灘高では職員室の目の前にたくさんの机・椅子が並んでいるのですが、ここで授業が終わった放課後に生徒同士での教えあいが始まります。
分からないことがあればすぐに目の前の職員室で聞くことも出来る、とても良い環境ですね。

アメリカ国立訓練研究所から発表されたラーニングピラミッドでも、人に教えることが学習定着に大きく役立っているという研究結果も出ています。
最後に、注意しておきたいとことしてポジティブ・ネガティブといった感情によって記憶の定着は変わります。
ネガティブな気持ちになってしまうとストレスホルモンが分泌されて海馬などの脳細胞が委縮してしまう(=記憶の定着が下がってしまう)ので、ポジティブな感情で好奇心を持ってワクワクしながら取り組むように心掛けましょう。
